● 塗装は天候・気温に左右されます
塗装は充分に乾かしながら進めていくことが基本ですので、施工をする日の天気や気温、湿度はとても重要です。
塗装の工期を決めるときには、天候・気温の影響がなるべく少なくなるよう余裕を持たせた日数を設定します。
短いスケジュールで組んでしまうと、天気や気温による施工精度を除外して作業を進めることとなり、塗料の付着が劣ったり、すぐに剥げてきたりすることも考えられます。
とくに塗装の剥がれは外壁を早く傷め、建物の耐用年数にも影響を与えますので注意してください。
地元の塗装業者ならその土地その時期の天候を把握しているので、お任せしても心配は要らないでしょう。
● 気温による影響
塗装時
(塗装場所)の推奨気温については、使用する塗料ごとにメーカーが指定しています。
大体の塗料では気温が5度以下になる場合での使用は塗装の付着阻害を起こす可能性があるとしています。
ただし日本国内では、雪などの悪天候時以外ほぼ問題ないでしょう。
● 湿度による影響
塗料メーカーでは湿度85%未満での使用を推奨しています。
高い湿度では水性塗料は乾燥しにくくなり、蒸発に時間が掛かります。施工時間が長引くだけでなく、この間にゴミや埃が余計に付着してしまうという弊害もあります。
溶剤塗料は乾燥が早いですが、乾燥するときに気化熱で壁材を冷やし周りの水蒸気を固体化させて取り込んでしまい、塗装面を濁らせてしまうことがあります。
日本の湿度は、夏は太平洋側、冬は日本海側で上がるなど、地域によって気象条件が大きく変動します。
施工のタイミングはお住まいの地域に馴染みのある塗装業者に相談するといいでしょう。
● 気候による影響
最も好ましい季節は、気温や湿度が安定している春や秋です。
雨や雪は塗装面に水分が付き、塗装の付着性に支障が出る
(流されたりムラが出たりする)ため、塗装作業に向きません。とくに梅雨時期では雨が続き湿度も高くなるので、塗装は避けたい環境です。
冬は乾燥する地域もありますし、降雪地域では湿度が上がります。
しかし、すべてが好ましい条件で作業を進められるわけではありません。
天候不順が続いて工事期間がなくなることや、作業者の手配が揃わない場合には、対策を取りながら塗装を進めることがあります。
降雪時の具体例として、凍結や霜が発生しやすく気温も5℃以下になるので、壁面の塗装時はブルーシートで足場ごと壁を覆って保護することや、屋根作業の場合は鉄パイプを柱にして屋根の上に屋根を仮組みして、風雨を防ぎます。