● 床下の凹みや床浮き
床下の凹みや床浮きは代表的なシロアリ被害の症状です。
床がミシミシ鳴ったり、ふかふかしたり、歩くと床がへこんだり浮いたりする感覚があったらシロアリ被害が進行しているでしょう。
またこの場合は、床下だけではなく周辺部分へも被害が広がっていることもあります。
この場合の補修は、シロアリが柱の一部分に侵食した程度や被害が小さい場合は、薬剤を注入して殺虫したあと根太材
(床板の支持材)を補強します。被害が柱全体に及んでしまった場合は、根太材を新しいものと交換する必要もあります。
柱がほぼ空洞になっているほど被害が進行している場合は、根太材だけでなく床板も交換する修復工事をします。
● 玄関・ドアなどの木材部分の凹みや空洞
玄関は地面からも近く、ドアや框
(かまち=玄関の登り部分の化粧板)に木材が使用されていることが多いため、シロアリ被害を受けやすい場所のひとつです。
シロアリは木材の表面だけを残して中部を食べてしまうため、定期的に玄関周りの木材を触り、凹みや空洞がないかどうかチェックするといいでしょう。
この場合の補修は、穿孔
(せんこう)修理が一般的です。
玄関はタイル目地部分に小さな穴を開けて、コンクリート下の土壌に薬剤を直接浸みこませます。空けた穴部分はモルタルなどで塞ぎます。
木材部分のドアや框もドリルで小さな穴を開けて、薬剤を浸みこませます。仕上がりは木材部分の傷み具合によって、修理箇所が見えてしまうこともしばしばあります。この場合は化粧仕上げも検討します。
● 湿気が溜まる水回り
台所やお風呂場、お手洗いといった水回りも湿気が溜まりやすいため、シロアリの被害が多く見られます。小さなシロアリはわずかな隙間やひび割れからも侵入してきます。
予兆や補修は基本的に床下や玄関と同様ですが、被害が大きい場合は、部分補修ではなく全面的な補修が必要になることもあります。
シロアリ被害によって柱が損傷し建物の強度が低下すると、地震や豪雨の際に崩壊してしまうなど、重大な損害を受けやすくなります。被害が疑わしい場合や築年数が経過した建物では、シロアリ被害の調査を早めに行ってみることをおすすめします。
また補修工事を行う目的は「修理」だけでなく「シロアリの逃げ場をなくし駆除する」ことでもあるため、補修する際はお家全体を同時に行うことが大切です。
施工後に殺虫薬剤の散布も行います。効果や再散布に至る期間はケースバイケースですので、調査や補修工事時に確認してください。