① 葺き替え工事
屋根の「
葺き替え工事」は、既存の屋根材を取り払い、新しい屋根材に替えるリフォーム工事です。
屋根材を一新するため大規模な修繕工事となり、費用は掛かってしまいますが、築年数が経ち屋根材の劣化が進行したケースや、雨漏りによって屋根内部までダメージを受けたケース、防水シートや野地板の劣化が進み、
「再塗装」や「カバー工法(重ね葺き工事:②で解説)」で対応できない場合などに最適な屋根リフォーム工事です。
住宅の耐久性が増して寿命も延びるので、外観が新築のようになるもうれしいポイントです。
②カバー工法(重ね葺き)
「
カバー工法(重ね葺き)」は、古い屋根を剥がさずに防水シートを貼り、その上に新しい屋根を張る工事方法で、
屋根材メーカーも推奨している屋根メンテナンス方法です。
「葺き替え工事」のように古い屋根を撤去してから下地を調整する工程がないので、短期間で施工でき、費用も安く抑えることができます。
施工後の屋根重量は屋根材が二重になるためが重くなりますが、
耐震性に影響を与えることはありません。
参考データとして、一般的なカバー工法では1m²あたり6~7kgの重量増しとなります。
屋根全体の広さを100m²とすると600~700kgとなり、大人10人ぐらいが屋根に乗っているイメージでしょう。
このとき、大きな屋根に
偏りなく人が乗っている状態を想像すれば、それほど重量増加の影響はないことが理解できるかと思います。
なお、カバー工法は元々の屋根が瓦の場合はできません。屋根のダメージが激しい場合や下地材が傷んでいる場合、元々の屋根が適した勾配で施工されていなかった場合、既にカバー工法で施工されている場合なども、この工法はできません。
③締め直し工事
「
締め直し工事」は、瓦屋根の場合の修理工法です。
既存の屋根瓦をすべて、または部分的に剥がして下地や防水シートの修理・貼り替えを施し、再び瓦を積み直す工事方法です。
この工事は既存の瓦を使用するため、それらの劣化具合が少ないケースに限り行える工法で、例えば雪害や台風の影響で部分的に瓦がズレたり、雨漏りが見つかったりしたケースに適します。
この締め直し工事も、葺き替え工事より施工期間とコストが掛からないことがメリットと言えます。ただし屋根材のすべてを一新する工法ではないので、葺き替え工事よりも耐久性は劣ります。
④再塗装(メンテナンス)
屋根材は材質や塗料などによっても異なりますが、10年程度に1度は「
再塗装(塗り替え)」によるメンテナンスが、約30年程度に1度は「
葺き替え修理」が必要です。
屋根塗装は屋根を洗浄してから、外観の保持や耐久性を保つための塗装を上塗りする施工です。相場費用は塗料の種類によっても変わるので、業者に相談しましょう。
この場合も、下地の劣化進行が激しい場合や雨漏りをしている場合は、「葺き替え工事」で屋根材を一新することをおすすめします。