● 白熱灯
光を放つフィラメント部分に電流を流すことで、発熱と発光をさせます。
フィラメント部分は電流が流れにくく、その電気抵抗からフィラメントの温度が上昇し、高温化して発光する原理です。
電気が流れれば発光するので製造が安価に出来、直流電源・交流電源のどちらでも使用できることもメリットです。
しかしこの自己熱はいずれフィラメント部分を溶解、すなわち電球が切れてしまうことで寿命を迎えます。ランプの寿命はおよそ1,000~2,000時間と言われています。
● 蛍光灯
水銀蒸気を封入し、内面に蛍光物質を塗布したガラス管の両端に付けられた電極に電圧をかけることで電子が放出され、放出された電子が水銀蒸気と衝突することで紫外線を放出。その紫外線が蛍光物質に触れることで可視光線となり発光する原理です。光の色合いは蛍光物質によって変えています。
ただしこの放電現象は電極に電圧をかけると急激に電流が増えてしまい、そのままではランプの破壊につながります。そこでこの電量の暴走を防ぐために安定器という装置
(回路)が必要になります。安定器は電流量を一定値に安定させる抵抗器のようなものです。また装置の設計的に直流電源よりも交流電源の方が安価に製造できるため、ほぼ交流電源の装置が市販を占めています。
ランプの寿命はおよそ6,000~12,000時間と言われ、その寿命は電極の劣化や水銀蒸気の蒸発などや、ガラス管の不透明化や周辺回路
(安定器やグロー管のある場合はそちら)の劣化など、多くの要素がからみます。また蛍光灯は点灯時の負荷がいちばん大きく寿命に左右するので、点灯し放しにする方がランプの寿命は長くなります。
(この場合の周辺回路の寿命は不問です)
● LED照明
LEDとは発光ダイオード
(=Light Emitting Diodeの略)という半導体の一種のことで、これを利用した照明器具です。LEDは電圧をかけると電子
(-の要素)と正孔
(+の要素)の要素が衝突し、そのときのエネルギーが光のエネルギーに変換されて発光します。光の色合いは、半導体に混合する化合物によって変えています。
調色タイプのLED照明器具は、予め2色のLED群を持たせ、発光時にそれら2色のバランスを変えて作色する構造が殆どです。
寿命に関しては、LEDは半導体であるため原理的に「切れる」という概念はなく、寿命はおよそ約30,000~60,000時間と言われています。
寿命は構造上で用いている樹脂が劣化して輝度低下をもたらし、最高輝度の70%まで低下した場合としています。LEDは光ることでその光が樹脂の劣化を促し、発光面の温度が上昇することでも樹脂の劣化を促します。つまり高輝度・長時間駆動になるほど寿命は早まります。
話は変わりますが、半導体の駆動は直流電源が好ましいため、交流電源用の照明器具でもLEDランプ内には直流電源に変換する整流器を搭載させていますので、ソケット型等のLEDランプはそのまま差し替えるだけで使えるものが殆どです。
ただし蛍光管
(ランプ)だけを差し替える直管型の蛍光灯などは、既に蛍光管外に取り付いている安定器が邪魔となって正常な動作ができなくなる場合もあります。この場合は安定器を回避する工事が必要となりますので、事前に屋内配線工事ができる業者に確認を取ってから置き換えるようにしましょう。